金融庁が保険代理店の手数料を調査
- 2014/10/27
- 06:53

投資信託などの金融商品に比べ透明度の低い保険商品。
本で見たり業界の方の話を聞いていると、おそらく”結構な額”を取っていることは想像に難くないですが、実際それがどれくらいなのかは不明です。
しかし、その状況が変わるかもしれません。
10月26日の日経新聞ウェブサイトの記事です。
引用
保険代理店の手数料調査
販売手法を是正へ 金融庁、開示義務付けも
金融庁は、複数の保険会社の商品を取り扱う保険の乗り合い代理店(保険ショップ)の実態調査に乗り出した。勧める商品が販売手数料の高い商品に偏っているとの批判があるためだ。契約者が払う保険料のうち、販売手数料をいくら受け取っているのか、月内に報告するように求めた。販売手数料が高すぎ、販売にひずみがあれば、是正を求める考えだ。
(中略)
保険には手数料の開示義務がなく、契約者に実態が分かりにくい。自主的に販売手数料を開示しているのは新興のライフネット生命保険くらいとみられる。同社は月額保険料の7.5%を最長5年間、代理店に支払っている。
(中略)
代理店は保険会社から受け取る販売手数料が収入源で、手数料の高い保険を勧めているのではないかという指摘も一部で出始めている。
ざっくりいうと、今金融庁が保険の代理店に「あなたいくら取ってるの?」と聞いているそうです。
この話題についてはすでに梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーさんで取り上げられています。
金融庁、保険代理店の手数料調査に乗り出す。販売手法を是正へ
基本的には上記の記事のみで必要十分ですが、暇な人は続きをどうぞ。
前提
保険の無料相談ができるショップというものをちょいちょい見かけます。
以前は保険=生保レディという印象があったのですが、(あくまで私の感覚ですが)保険ショップの方が見かける機会が多くなりました。
保険ショップってのは、まああれです。
スーパーやショッピングモールなどに店舗があって、「30社の保険からあなたに最適なものを選んであげます。それも無料で。」なんて言ってるあれです。
ショッピングモール等にテナントを構え、人員を配置し、無料相談、テレビCMをやっている会社もあります。
それらの原資は、もちろん保険料です。
それはいいです。企業ですから。
でも、手数料がどれくらい取られているのかが分かりません。
「あなたに最適」なんて言いながらも手数料の高い商品、つまり「お店側に最適な商品」を勧められてる可能性もあります。
これが問題。
これはもちろん消費者にも責任があるのですが、基本的には消費者は保険商品を判断できません。
複雑な仕組み、分からない手数料、保障内容の過不足。
それで30社の商品から選んだなんて言われたら、「はい。じゃあそれで。」ってなりますよね?
手数料=ラーメンの原価?
以前テレビでライフネット生命の特集をやっていた時に聞いた言葉です。
もちろん、これはライフネット生命の発言ではなく、ライフネット生命が手数料を開示するよって言い出した時に挙がった業界からの反対意見です。
なるほど。わからんでもないです。
ラーメン屋は原価なんて公表してないですもんね。
服屋だってそうです。車屋だってそうです。
原価を公表しちゃうと、「もっと安くできるだろー!!」って言われちゃいそうですもんね。
原価というよりは販売価格では?
しかし、ラーメンや服、車ではなく、より保険に性質の近い金融商品を見てみましょう。
こちらはきっちり手数料が開示されています。
インデックスファンドもアクティブファンドも。
複雑怪奇な仕組みのファンドも、何やってんだかわかんないヘッジファンドも。
私達が販売側にいくら払うかという点で、手数料は原価ではなく販売価格と考えるべきでしょう。
それらを開示していないっては、やっぱ不誠実です。
今後に期待
その商品がいくらなのかってのは消費者として知って当然の情報です。
それができていない状態はある、意味異常です。
業界側にとっても、「自分たちの取り分を抑えて、こんなに保険料を安くしましたよ」という、まっとうな商品アピールもできません。
今後に期待。
金融庁も保険業界の方々には頑張ってほしいです。
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